遺伝の所為にしてしまえば良いのだ。

 

 

ふと、考える。

 

私に恋人が出来ないなんていうことは、

世の中で蠢く問題と比べれば至極些細なことに思えるかもしれない。

 

しかし、だ。

私の親の更に親の、詰まる所、ご先祖様的にはきっと

 

やべえ、こいつ長女で一人っ子なのにこのままだと

行き遅れて独り身のまま此方来ちまうぞ、どうすんだ!!!!

 

くらいの死活問題なんじゃなかろうか、と。

 

そうだよねー、ご先祖様的な何かからしてみれば

私という一人の人間に、今後の家系図の行く末が懸かっているわけで。

 

そりゃ、やばいわ。別に先祖に織田信長とか居ないけどやばいわ。

 

 

……と、二分くらい前までは思っていたわけだけど。

 

よくよく考えてみたら、私父親居ないし

母親も一度は嫁いだ身で苗字も変わっちゃってるわけで。

 

そうなってくるともう何か私が継がなきゃいけない苗字とか

別にないし、何処かしらの家系図的なものも多分とっくに

途切れてるっていうか、まず母親の旧姓すら私知らないんじゃね?

 

 

うん、じゃあやっぱり佐伯に恋人が出来ないなんてことは

何処ぞやのおっさんの耳が実は聞こえてました、ってことより

ほぼ一般人のおっさんが昼の冠番組のレギュラーになることより

遥かにどうでも良い案件なんだろうな、と思った。