人間とは、学習しない生き物である。
コンビニにふらっと立ち寄り、紙パックのジュースと睨み合う。
可愛らしいオレンジ色の紙パックが目に入り、つい手を伸ばす。
「私はこの手の物と上手く行った試しがないじゃないか」
頭では理解っているはずなのに、何故か毎回思ってしまう。
今度のやつは、美味しいかもしれない!いや、きっと美味しい!
言い知れぬ確信とともにレジへ向かい会計を済ませて会社へ戻る。
ストローを挿して、一呼吸。
ちゅう、っと小気味良い音を立ててから数十秒。
給湯室へ駆け込み、安物のマグカップに安物の緑茶を淹れた。
ねえ、何でフルーツオレってあんなに不味いの!?
「ワタシ、イチゴオレトオナジデ、オイシイヨ~」みたいな
見てくれのくせになんで小児用咳止めシロップの味がするの!?
小児用咳止めシロップがフルーツオレに寄せてきてるのか
フルーツオレが小児用咳止めシロップ使ってんのか知らないけど
とにかく不味い。不味い材料なんて使ってないはずなのに。
いや、世の中にこの子が長く席を置いていることを考えれば
多数の人々が「フルーツオレは美味しい」と思ってるんだろうが。
嫌なら飲むな、というのも正論中の正論だと思う。
だがしかし私はあえて云おう。
あの見た目の可愛さに騙されてしまうんだ、私は被害者だ!
……何でもかんでもパケ買いするの、やめます。